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【遺産分割】相続開始後にやるべき準備とは?流れや注意点を専門家が解説

ご家族が亡くなられ、悲しみに暮れる間もなく、相続という現実的な問題に直面します。

特に「遺産分割」は、相続人全員が関わる重要な手続きであり、準備を怠ると後々大きなトラブルに発展しかねません。

この記事では、円満な遺産分割を実現するために必要な準備、適切な開始時期、注意点、そして専門家である弁護士に依頼するメリットについて、詳しく解説します。

遺産分割に必要な準備とは

遺産分割協議をスムーズに進めるためには事前の準備が不可欠です。

主に以下の3つのステップで準備をする必要があります。

相続人の確定

誰が相続人になるのかを法的に確定させる作業です。

亡くなった方(被相続人)の出生から死亡までの一連の戸籍謄本等を取り寄せ、法的な相続人を全員把握します。

一人でも欠けた状態で行った遺産分割協議は無効となるため、最も重要な準備です。

特に疎遠な親類がいる場合や思いがけず子を認知していた場合等々、問題が発生する場合があります。

遺言書の有無の確認

遺言書があれば、原則としてその内容に従って遺産が分けられます。

まずは公正証書遺言の有無を公証役場で確認したり、自筆の遺言書が遺されていないか探したりします。

遺言書がある場合とない場合では、その後の手続きが大きく異なります。

また、自筆証書遺言の場合は、裁判所で行う検認という手続きも必要です。

相続財産の調査と財産目録の作成

被相続人がどのような財産をどれだけ遺したのか、その全体像を把握します。

預貯金、不動産、有価証券といったプラスの財産だけでなく、借金やローンなどのマイナスの財産も調査の対象です。調査結果は「財産目録」として一覧にまとめ、後の遺産分割協議の基礎資料とします。

遺産分割の準備を始める時期

遺産分割の準備は、相続開始後(被相続人の死亡後)、できるだけ速やかに始めることをお勧めします。

相続には、相続放棄(原則3ヶ月以内)相続税の申告(10ヶ月以内)といった期限が定められた手続きが存在します。

財産調査や相続人の確定に時間がかかることも多く、これらの期限から逆算すると、決して時間的な余裕があるわけではありません。

また、相続人の一人が預金を使い込んでしまうといったトラブルを防ぐためにも、早期に準備を開始し、財産の全体像を把握することが重要です。

遺産分割にかかる期間

遺産分割にかかる期間は、相続財産の内容や相続人間の関係性によって大きく異なります。

スムーズに進んだ場合

数ヶ月程度

相続人が少なく、財産の特定も容易で、相続人間で争いがない場合は、数ヶ月で完了することもあります

話し合いがまとまらない場合

1年以上かかることも・・。

相続人間で意見が対立し、家庭裁判所での「遺産分割調停」や「審判」に移行した場合は、解決までに1年〜数年かかることも珍しくありません。

長期化は、心身ともに大きな負担となります。

だからこそ、円滑に進めるための事前準備が極めて重要になるのです。

遺産分割の準備における注意点

準備段階で特に注意すべき点を4つご紹介します。

遺産の使い込みは厳禁

遺産分割が完了するまで、被相続人の相続財産は相続人全員の共有財産です。

他の相続人の同意なく、勝手に預金を引き出したり、財産を処分したりすることは、深刻なトラブルの原因となります。

財産の全体像を正確に把握する

一部の財産だけで分割協議を進めてはいけません。

後から新たな財産が見つかった場合、遺産分割協議をやり直す必要が生じる可能性があります。

なお、遺産分割協議書において、後に財産が見つかった場合の処理を定める方法はあります。

相続人全員で協議する

遺産分割協議は、必ず相続人全員の参加と合意が必要です。

連絡が取りづらい相続人がいる場合でも、無視して進めることはできません。

感情的な対立を避ける

相続問題は、金銭だけでなく感情が絡むため、対立が激化しがちです。客観的な事実に基づいて、冷静に話し合う姿勢が求められます。

遺産分割の準備段階から弁護士に依頼するメリット

「まだ揉めていないから弁護士は早い」とお考えの方もいるかもしれませんが、準備段階から弁護士に依頼することで、多くのメリットが得られます。

正確な調査によるトラブルの予防

煩雑な戸籍謄本の収集や財産調査を代行し、相続人や財産の漏れを防ぎます。これが後のトラブルの芽を摘むことに繋がります。

法的な見通しに基づく円滑な交渉

早い段階で法的な争点を整理し、適切な解決への道筋を示します。

特に、専門家が関与することによって、法律に則った妥当な解決案により不必要な感情的対立を避けるというメリットがあります。

代理人として弁護士が他の相続人と交渉することで、感情的な対立を避け、冷静な話し合いを進めることが期待できます。

精神的・時間的負担の大幅な軽減

複雑な手続きや交渉の窓口をすべて弁護士に任せられるため、依頼者様は精神的・時間的な負担から解放されます。

各種期限の管理

相続放棄や相続税申告など、見落としがちな各種手続きの期限を管理し、不利益が生じないようサポートします。

遺産分割は、専門的な知識と冷静な対応が求められる複雑な手続きです。少しでも不安を感じたら、早期に専門家へ相談することが、円満な解決への近道と言えるでしょう。

なお、もし協議で解決できない場合は、調停に進むことになります。調停は、裁判所という場所で行う話し合いです。調停になった場合に円滑に進めるためにも遺産分割協議の事前準備は必要です。

当事務所では遺産分割協議のご相談・ご依頼を多数いただいております。遺産分割協議に関するご相談はお気軽に当事務所までご相談ください。